AIの「記憶」をGoogle Driveに置いてみた|ChatGPTを右腕として使う仕組み

最近、YouTubeなどで「AIを右腕にする」「AI秘書を作る」といった内容をよく見かけます。

Claude CodeやCodex、Obsidianなどを使い、AGENTS.mdやPROJECT.mdといったファイルに自分の情報やプロジェクトの状況を書いておく。AIはそれを読みながら仕事をする、という仕組みです。

面白そうだと思う一方で、見ていて一つ疑問がありました。

これ、Google Driveに置いてもできるんじゃないか。

私はPCだけでなくスマホからChatGPTを使うこともあります。ChatGPT以外にCodexやGeminiを使うこともあります。

それなら、AIの「記憶」を特定のPCの中ではなく、クラウドに置いた方が自分には使いやすそうです。

そこで、ChatGPTと相談しながら、Google DriveをAIの外部記憶として使う仕組みを作ってみました。

ChatGPTにも記憶はある

ChatGPT自体にもMemoryがあります。

普段使っていると、以前話したことを覚えていてくれることもあります。毎回ゼロから説明しなくてよいので便利です。

ただ、仕事で使うことを考えると、

  • 今、このプロジェクトはどこまで進んでいるのか
  • 何を決めたのか
  • 次に何をするのか
  • 他のプロジェクトとの優先順位はどうなっているのか

といった情報まで、何をどのくらい覚えてもらうかを自分で細かく管理するのは難しいところがあります。

だったら、仕事で使いたい記憶は、自分で管理できる場所に置いてしまえばいい。

そう考えて、Google Drive側にAIに覚えておいてほしい情報を置くことにしました。

Google Driveに何を置いているか

現在は、Google Driveの中を大きく5種類に分けています。

  • CORE:自分自身の情報や、AIと仕事をするときの共通ルール
  • CONTEXT:特定の領域についての背景、事実、方針、これまでの判断
  • CAPABILITY:文章の書き方や判断基準など、複数の仕事で使う知識
  • PROJECT:現在進めている仕事の状況
  • CONTROL:複数のプロジェクトをまたぐ優先順位や判断に使う情報

名前は自分が管理しやすいように付けているだけなので、この分類自体が重要なわけではありません。

重要なのは、AIに毎回説明していた情報を、会話の外に置いたことです。

たとえば、私の文章の書き方について相談するときは、過去のやり取りから分かってきた好みや判断基準を参照してもらいます。

あるプロジェクトについて相談するときは、そのPROJECTを読んでもらいます。

複数のプロジェクトのどれを優先するか相談するときは、それぞれの状況とCONTROL側の情報を見てもらいます。

今のところ、ChatGPTを相談相手兼司令塔にして、作業によってWorkやCodex、Geminiを使い分けています。その共通の記憶領域としてGoogle Driveを使っている、という形です。

PROJECTには「今」を書く

この仕組みを作る中で、PROJECTの扱いは少し工夫しました。

最初は、AIとの会話や進捗をどんどん書き足していけばいいと思っていました。

ただ、それだと長く使うほど情報が増えていきます。AIが知りたいのは、過去の会話を全部再現することではなく、「今どうなっているか」であることが多い。

そこでPROJECTには、会話の履歴ではなく現在の状態を書くことにしました。

たとえば、

  • Goal
  • Current Status
  • Current Workstreams
  • Key Decisions
  • Open Issues
  • Dependencies
  • Next Actions
  • References

といった情報です。

昨日はA案で進めていても、今日B案に変えたのであれば、PROJECTにはB案を書きます。

過去に何を話したかではなく、今どうなっているかをAIが読める状態にしておくという考え方です。

これだけでも、別のチャットで続きを相談するときの説明はかなり減りました。

問題は、Google Driveに置くことではなかった

実際に運用してみると、別の問題が出てきました。

Google Driveに記憶を置くこと自体は、それほど難しくありません。

難しいのは、その記憶を最新の状態に保つことでした。

たとえばChatGPTとの会話で、

「この方針でいこう」

と決めたとします。

その会話の中では当然ChatGPTも分かっています。

ところが、その決定をGoogle Drive側のPROJECTに書き戻さなければ、次に別のチャットからPROJECTを読んだときには古い状態のままです。

これでは外部記憶を作っても、少しずつ現実とズレていきます。

そこで今は、重要な方針や仕様、進捗が変わった場合は、回答を終える前にPROJECTへ反映する、というルールを入れています。

ただ、プロンプトにルールを書いておけば必ず守られる、というわけでもありません。

書き戻しが抜けることもあります。

PROJECTは更新されていても、複数プロジェクトをまたぐ情報が古いまま、ということもありました。

使ってみて分かったのは、AIの記憶をGoogle Driveに置くことより、その記憶を現実と同期し続ける方が難しいということでした。

定期的な整合確認により、同期漏れを防ぐ

現在は、会話中の書き戻しだけに頼らず、定期的に整合確認もしています。

Google Driveに書かれているPROJECTと、確認できる最近の会話や成果物を比較して、

  • 決定事項が反映されているか
  • Current Statusが古くないか
  • Next Actionが実態と合っているか
  • 終わった作業が残っていないか

などを確認します。

さらに定期的に、PROJECTだけではなく、複数プロジェクトをまたぐ情報やタスク、実際の成果物とのズレも確認します。

ChatGPTの過去の全会話を完全に横断して確認できるわけではないので、完全自動とはいきません。

それでも、会話中の更新と定期的な確認を組み合わせることで、かなり運用しやすくなりました。

ローカルではなくGoogle Driveにする意味

もともと参考にした仕組みの多くは、Markdownファイルをローカルに置いていました。

実際、AIからの扱いやすさだけを考えれば、ローカルにはかなりメリットがあります。

ローカル

Google Drive

AIからの扱いやすさ

ファイルを直接扱いやすい

コネクタ等を介して扱う

端末

基本的にローカル環境

PC・スマホから参照しやすい

複数AI

環境を整えれば共有可能

同じDriveを参照できる

履歴・差分管理

Gitとの相性がよい

Drive側の履歴管理

人との共有

別途共有環境が必要

そのまま共有しやすい

実際に使った印象

AIから扱いやすい

参照・書き戻しが安定しないこともある

Claude CodeやCodexのようにローカルのファイルを直接扱える環境なら、Markdownファイルをそのまま置く方がシンプルです。Gitで差分を管理したり、スクリプトから操作したりするのにも向いています。

一方、私の場合はPCだけでなくスマホからもAIを使います。

そのため、どこか一つのPCではなく、Google Driveに記憶がある方が都合がよかった。

Google Driveもコネクタなどを介してAIから読み書きできます。ただ、仕様上できるはずでも、実際にはうまく参照できなかったり、書き戻しに失敗したりすることがあります。

なので、Google Driveの方が優れている、という話ではありません。

AIから直接扱いやすいローカルと、複数の場所から参照しやすいクラウド。それぞれにメリットがあります。

私の使い方ではGoogle Driveの方が合っていた、というだけです。

AIに「覚えてもらう」ものを、自分で持つ

この仕組みを作ってから、ChatGPTへの相談の仕方は少し変わりました。

以前の経緯を毎回説明しなくても、PROJECTを読めば現在地が分かる。

文章を書くときには、これまで蓄積した自分の文章の好みを参照してもらう。

複数の仕事について相談するときには、それぞれのPROJECTを見ながら優先順位を一緒に考える。

AIとのやり取りが、一回ごとの質問と回答だけではなく、少しずつ継続した仕事になってきました。

もちろん、まだ実験中です。

書き戻しが抜けることもありますし、Google Driveへのアクセスが安定しないこともあります。情報が増えてくれば、今の分類自体を見直す必要も出てくると思います。

それでも、AIに何を覚えてもらうかをAI任せにするのではなく、自分で管理できる場所にAIの記憶を持つという考え方は、今のところかなり使いやすいと感じています。